2007年06月24日

乙女ケーキと百合と百合的感覚

otomecake01

『乙女ケーキ』
著:タカハシマコ 百合姫コミックス

久しぶりに膝を打ちたくなるような作品。
これが『百合』です。まさしく百合の教科書。

今後、「百合ってよくわからないんだけど…」といわれたら、この作品を差し出そう。そう思う作品です。

以前、百合についての談義をした時に『百合とレズはレイヤーが違うので直行概念ではあっても並行概念には成り得ない』という説を提唱したことがあるのですが、その実証例をといえる作品が多数収録されています。

「百合とレズの違いってBLとホモの違いと同じ?」という問いに対して示したキーワードが『リアルさの消失』というものでした。

ジャンルとしての成熟度が全然違うのですでに比較対象として的確だとは思わないのですが、『フィルタリングによってリアルさを消失している』という意味においては『百合とレズの違いはBLとホモと同じ』といえるのではないかと思います。
(正直、そのあたりについては自分でもまとめきれていないのですが、百合そのものの定義が『リアルさがないこと』ではないことだけは注意点です。)

また、この本を読んで一番の収穫とも言えるのは、あとがきにてタカハシマコさんが言っていた、『「この感情は百合だ。」と私の中で思うものを探す旅(脳内)に時間をものすごくつかってしまった?』という下りでした。

気力が生まれたらいつかまとめようとは思っているのですが、百合がジャンルとして未成熟であることと、フォーマット化の必要性について考えていたところだったので、現状の『百合』というジャンルの難しさを表していると実感しました。

ツンデレのようなコモディティ化をしてしまうのも問題ですが、一段メジャー化するために必要なことをしばらく考えてみたいところです。

百合姫Sっていうか、『interface』について

yurihimes01  『interface』
著:玄鉄絢 (コミック百合姫S Vol.1収録)

とらでペーパー集が付く告知が土曜夜までなくて2冊買うはめになった僕です。こんにちは。

っつーか、とら告知遅いよ! 玄鉄絢さんのペーパーが付かなきゃそれでも無視したんですが、この方だけは少女セクト2の時に仕事修羅場にも関わらずサイン会の参加券を確保しに行ったくらいガチです。
そのあとヒドい目にあいましたが、後悔してません。

と、いうことで。

その作者である玄鉄絢さん久々の漫画作品 『interface』です。

 相変わらずの圧倒的な情報量ですねえ。
想像できる余地がすさまじく大量にあって、うにゃうにゃします(笑)
(とらのおまけペーパーがまた想像させる絵で2冊目を買っても仕方なかった…)

Vol.2にも短編を描かれるようなので、楽しみにしておきます。

あと、ご本人のサイトで『夏は電脳コイル』との告知があって脳汁が止まりません。

く、玄鉄絢さんと電脳コイルて。コミケでの買い物などすでに諦めて久しい僕ですが、今回ばかりは誰かに頼むかもしれません。ヤバい楽しみすぎる。

2007年06月10日

狐とアトリ

狐とアトリ―武田日向短編集『狐とアトリ―武田日向短編集』 
著:武田 日向 角川コミックス ドラゴンJr.

 

GOSICKシリーズの挿絵で有名な武田日向さんの、ものすっごい久しぶりの単行本です。
(3年4ヶ月ぶりらしい)

たとえどんなに更新サボってようが、やる気がなかろうが、武田日向さんの単行本だけは外すことはできないわけです。

それくらい好きというか、単体では一番好きといえる絵師さん(漫画家さんではないあたりが微妙なニュアンス)だったりします。

イラストでも圧倒的にうまいのですが、漫画でもこれだけ技術的には素晴らしいというのがすごいです。これであとお話がついてくればなぁ…と思うので、良い原作さんがついて連載してくれませんかね? 短編であればあまり目立たないんですが、ある程度『ストーリー』のある作品になるとちょっと……。

この単行本では、そもそも描いてる本数が少ないのと、現在連載中の『異国迷路のクロワーゼ』は単体で単行本になると思われるので収録作品数は少ないのですが、どれだけ見ていても飽きない絵の密度とキャラの可愛さに、見ているだけでしあわせになれます。大変満足です。

収録作の中では、『ドールズ・ガールズ』がお気に入り。
武田さんの作品では珍しく現代が舞台ですし、幼女が主役でないというのもキャラの「女の子っぽさ」が際だっていて読んでいてにやにやしてしまいました。

しかし、これだけ仕事量が少ないというのは、描くの遅いんですかね?
あれだけ書きこまれていれば時間かかってもしょうがないとは思いますけど。
今の掲載誌のドラゴンエイジPureが隔月刊になったので、クオリティを落とさずに早く次の単行本が出ればいいなあ。

あと、できればカラーページは全部カラーで収録をお願いします。
どんだけ高くても出します。マジで。

2007年03月29日

今月のアライブ(つうか、先々月のも含めて)

 コミックアライブで読みきり連載中(7月号から連載格上げらしい)の 『ささめきこと』(いけだたかし)がヤバい面白いです。

いえ、また百合モノなんですけどね。や、や、や、そこで引かないで。またかよ、とかお思いでしょうが、大変良いのです。

先々月が1話で今月2話だったのですが、1話の正当百合モノっぷりもさることながら、2話でのこの先どこに行くのかわからなくなりっぷりがすさまじく、今後が楽しみです。わりと先物買い推奨です。

今月はまりあほりっくが大幅減ページ(4ページしかない!)だったので、生きる気力を失いかけたのですが、なんとか1ヶ月生きていけそうです。うん、大丈夫。

というか、明らかにアライブコミックスの中で一番売れてる雰囲気なんですが、なぜにいまだ後ろから数えた方が早い位置ですか? ジャンプでいうところのジャガーみたいなもん?(電撃大王におけるナオコサンポジションといった方が正確かもしれない)

2007年03月02日

まりあ†ほりっく(1)

まりあ†ほりっく(1) 『まりあ†ほりっく(1)』

著:遠藤 海成 MFコミックス

コミックaliveの話が出るたびに、「アライブはまりあほりっくの為にあるんだよ!」と力説し、年末の号で表紙になった時には「まりあほりっくの時代がやってきましたよ?」と小躍りしていた『まりあ†ほりっく』の待ちに待った単行本です。

どういう作品かは帯に書いてある一言でだいたい説明がつくのですが、不満なのは「かなこ×鞠也」になっていることであり、この作品のキモは「かなこ総受け」にあると思うので、「女装ドS少年×百合趣味少女」が正しい表記なのであります。(カップリングの順番重要)

まー、鞠也だけじゃなくて他のキャラに対しても総受けなので、「全員×かなこ」なんですが。

虐げられまくりです。

つうか、全然話題になってなくて、「これについて書かなくて何を書く!」とか思いつつ放置してたら、実はすごい好評で早速増版決まってるようです。

書評系サイトで取り上げられないだけで、実は人気ありますかこの作品?
(旧来のファン(=腐女子)ばっか買ってる可能性が高そうですが)

腐女子向け界隈に詳しくないのでなんなのですが、作者の遠藤さんはそっち方面で人気のある作家さんっぽいです。

『遠藤海成マニアックキャンペーン』とかやってるのですが、まりあほりっく以外の作品は食指が伸びないデスヨ、ママン……。

この作品を薦めると、大抵「また女装ものかよ(食傷気味に)」とか言われるのですが、わりとブラックなノリのギャグ漫画でぱっと見の印象とは意外な方向性に面白いです。

いやほんと面白いんだって。百合モノだからとか全寮制女子高モノ好き補正がかかってはいますが、それを抜いてもアライブで一番面白いと思うんだ。

2007年02月09日

“文学少女”と繋がれた愚者

“文学少女”と繋がれた愚者 『“文学少女”と繋がれた愚者』

著:野村 美月、絵:竹岡 美穂 ファミ通文庫

 

 “文学少女”シリーズ第三巻。

 

方々で言われている通り、凄かったです。

 

終盤のあのシーンは、まさに圧巻でした。

読み終わって、しばらく呆けてしまう位に引き込まれてしまいました。

 

後半、息の詰まるような勢いがありました。

1巻の感想で、「淡々としている」なんて言ってごめんなさい。

 

 いやもう、“文学少女”な遠子先輩すげーわ。

ここに来てキャラが立ちまくって動く動く。

 

正直、中盤までの琴吹さんラッシュで「この巻は琴吹さんのキャラを立たせるためのお話か?」とか思ってたのですが、最後に遠子先輩が全部持って行ってくれました。

2巻まではキャラがお話に動かされていた感があったけど、3巻の中盤からは間違いなくキャラが動いて話を動かしていたように思えます。 

 

メイン女性キャラは3人とも大好きです。

2巻まで読んだところでは琴吹さんかなぁと思ってましたが、3巻の竹田さんと遠子先輩のキャラ立ちっぷりはヤバいです。

竹田さんのピリっと辛い立ち位置が良いよね。

遠子先輩と竹田さんは物語の中でピンで立ってる感がばりばりします。

琴吹さんも次あたり期待できそうな感じですし、楽しみです。 

 

2巻までだと、「本読みにはオススメできるかなぁ…」レベルだったのですが、3巻で化けたと思います。

それこそ、2巻の感想書く前に読んじゃって考えてたこと全部吹っ飛ぶくらいには(笑

 

続きが気になりすぎる引きで終わったので、次が待ちきれません。

2007年02月08日

”文学少女”と飢え渇く幽霊

 ”文学少女”と飢え渇く幽霊 『”文学少女”と飢え渇く幽霊』

著:野村 美月、絵:竹岡 美穂 ファミ通文庫

 

“文学少女”シリーズの第2巻。

 

実は1巻の感想を書く前に読み終わってたのですが……

 

今、3巻読み終わったら2巻の感想がどっかに吹っ飛んだ!(汗

 

だってー、3巻のインパクトめがっさ強いんだもーん。

 

……やー、感想は読み終わったらすぐ書かないとダメですね。

次の巻読んじゃうと上書きされちゃうわ。

 

ハイ、続けて3巻の感想書きます。流しまス。

2007年02月06日

“文学少女”と死にたがりの道化

というわけで、毎日何かしら書いてみよう1日目。

1日1エントリ書けるくらいには感想溜まってるので、ちまちまと出していきます。

 

“文学少女”と死にたがりの道化 “文学少女”と死にたがりの道化』 著:野村 美月、絵:竹岡 美穂 ファミ通文庫 

 

最近話題の"文学少女" シリーズの第1巻。

最近出た3巻が各書評で軒並み高評価で、周りでも「おもしれー!」と叫び声をあげていた人たちが何人かいたので気になって購入。

ラノベは最近すっかり後追いです。開拓なんてしてられねぇ…

 

この機会にファミ通文庫のラインナップを見てみたのですが、わりとあなどれなさげですね。レーベルのカラーに好みが合っているような気がする。

この方向性は間違ってないんじゃないかと思う。地味だけど。

 

この過去の名作にストーリーを合わせるっていうやり方、似たようなのをどっかで見たことある気がする。

漫画だか小説だかも覚えていなんだけど、なんだっけ……?

 

お話は地味だけど面白いです。遠子先輩に変なキャラ立てがあるくらいで、あまり『キャラクター小説』という感じではないですな。頭の中で勝手にキャラが動くタイプの小説ではないと思う。  

 

あ! でも、琴吹さんのツンデレは良いツンデレです。

ここまでベタで混じりっけ無しなツンデレは淡々としたキャラたちの中でむしろ爽やかです。

 

久しぶりに小説っぽいラノベを読んだなぁ、という感じ。

プロローグを読み終わったところで「あ、これは好きだな」という予感を持ったのは久しぶりです。 

女性作家らしい柔らかさと綺麗さがある文章で、話の中心になっているキャラの心情描写とか結構ドロドロとしているのに、読後感にはそういうのが残らないのは凄いと思う。

 

派手ではないし、メインストリームからも外れている感もあるけど、こういうのが評価される余地があるからまだまだラノベに絶望せずにいられると思える作品です。