Japanese (Shift JIS)

♪Acoustic Research model 218V

♪購入

この趣味に足を踏み入れてひと月ほどでミニコンポのスピーカをAR model 218Vに買い換えました。ミニコンポのうち、CDプレイヤ、アンプそしてスピーカのどれからアップグレードしたら良いかについてはいろいろ考えがあります。購入するコンポーネントのグレードにもよりますが、一番音が変わるのがスピーカでしょう。使ってみたいスピーカが決まっていればもちろん、とにかく音を変えたいならばここから換えると良いでしょう。次がCDPだと思います。もちろん音は変わりますがスピーカほどではないでしょう。逆に、まだ好みの音が解らないけど音質はアップグレードしたい場合に良いかもしれません。最後にアンプです。今の音が好みだけど、もうひとつ勢いがないといったように鳴り方に不満がある場合に効果があるかなと思います。ただし、スピーカがある程度の性能を秘めていないとアンプをアップグレードしても効果が上がらないでしょう。ある程度がどの程度かはちょっと解らないんですけど (汗)、ハイコンポと呼ばれるクラスなら十分なんじゃないでしょうか?

スピーカ選びはとにかく試聴して試聴して試聴しました。試聴に必要なのは、静かなお店・よく聴くCD3枚・基準となるスピーカ の3つです。うるさい所では試聴できるはずがありません。あんまり静かなお店は居心地悪かったりしますが、スピーカ選びのために勇気を出しましょう。試聴用CDは持参します。あなたの趣味がジャズやクラッシクなど、大抵のお店に置いてあるものであれば問題ありませんが、JPOPなどはあまり置いてありません。また、CDは激しい曲/静かな曲、速いリズムの曲/スローな曲、ピアノ曲/ギター曲/ドラム曲など自分の好みの中でもバリエーションを持たせて複数の面から比較するのが良いでしょう。比較したいスピーカが1店で試聴できれば最高ですがそうはいかないことがあります。そういう時はどのお店にも置いてあるスピーカを基準に相対的に評価をしましょう。できれば、試聴に使うCDPやアンプは同じものにしてもらいましょう。

もう古いですし以前のことなので評価に自信はないですが、試聴した機種と感想を書いておきます。予算はペアで実売価格6万円くらいでした。今思うに、10万円くらいまで考えたほうが選択の幅も広がり、しばらくは満足していられるものを手に入れられると思います。

BOSE 121
中庸。
BOSE 214
広がりがある。谷山浩子さんの静寂さには合わない。SPターミナルが貧弱。
DENON SC-E717-K
力強さに欠け、中〜高音部もかすれて薄紙を貼りつけたような具合。“湿った音”というらしい。
DENON SC-E727-M
スケールは小さいがまとまりの良い音。
スペンドール S1
繊細。静かな曲(谷山浩子)は良いのですが、元気な曲(林原めぐみ)は合わなかった。
TANNOY Mercury M2
力強く広がりもあった。ただしボーカルの定位感はやや落ち。
Victor SX-V05
小さい体であれだけの音が出るのは魅力。浩子さんとも相性は良い。ジャズは低音が明瞭で小気味良い。
Victor SX-500DE
開放的。

以上と比較して選んだのはAR model 218Vでした。218Vは、付帯音が少なくクリアでボーカルの定位が良く、厚い中・低音が音楽全体を支え、広くはありませんがしっかりとした音場を形成します。同価格帯の国産スピーカとはまったく違う鳴り方をします。高音は奇麗ですが少し神経質。やや硬調ですが、刺激的に聴こえ勝ちな電子楽器を多用したJPOP(試聴は林原めぐみ)も力強さを失わないまま聴きやすい音になります。

構成セッティング
1998,06,07 1998,06,07

♪スピーカスタンド

ブックシェルフスピーカにスピーカスタンドは必須です。もっとも、私の場合は音質面よりも配置が自由になることを主目的に購入しました。今、ミニコンポを使用している人もスピーカスタンドを使うとぐっと良い音になると思います。

購入したTAOC SST-40Hは定評のあるものです。とりあえずこれでしょうという周囲の推薦で購入しました。この時期からしばらく、私の周囲で同モデル(高さは違う)を四人が購入しています。音の傾向は、解像度が上がり、音の輪郭がはっきりします。かなり堅固ですがそれでも鳴きます。底板に鉄アレイ(3Kg)を載せると音が変わりました。万全を期すなら上級のHSTシリーズや他メーカの高級品を選びましょう。無用な振動はできる限り抑えるべきです。天板を補強するのもいいでしょう。押し出し感を増す結果になりました。私はガッチガチのセッティングが良いと思っていますが、木製のスタンドで響きを活用する方法もあるようです。

2000/05/31 改訂

スタンドを選ぶ時のポイントは高さです。スタンドに載せたスピーカのトゥイータが視聴時の耳の高さに合うようにするのが基本です。私の場合、ちょっと低かったです。トゥイータの位置から外れるのも問題ですが、スピーカが低い=床が近いと音が床面で反射し過ぎて混濁するようです。

構成セッティング
1998,06,24

♪インシュレータ

218V購入後に一番気になったのはボーカルのサ行がきつく聞こえることでした。結論から言うと、これの難点は半年ほど使うことによるエージングでほぼ解消されました。エージングの影響は非常に大きいもので、ある日気づくと求める音になっていた、といった具合です。新しいスピーカ(コンポーネント)とはじっくり付き合う必要があることを思い知らされました。

それに気づくまでの半年間は躍起になってアクセサリで何とかならないかと頑張っていました。結果だけみると無駄な足掻きだったのですが、この間に得た経験はその後のチューニングの指針として非常に役立っています。

試したインシュレータは10円玉、木製ブロック、金属球、ガラス玉、ソルボセイン……などなど、主に東急ハンズで入手しました。その後、オーディオ用として市販されているものに移っていきました。必ずしも専用のものが良いとは言えませんが、加工精度の点などでは信用できると思います。

木製ブロック

設置の仕方は前ふたつ・後ろひとつの3点支持です。この方が接地のバランスは良くなります。一方、4点支持にしたほうが低音が出る傾向があるようです。ウーファの振動をがっちり支えるには脚が多いほうが有利なのかもしれません。

音の傾向を大雑把に言ってしまうと、金属は付帯音が少なくなり音が明瞭になります。デメリットとしてはきつくなることでしょう。素材は鉄よりも真鍮のほうが響きが奇麗ですね。余韻がでます。木材は響きが増えます。ボーカルが柔らかく聴こえますが、元の音がぼやけて柔らかくなるのか細かな音は隠されてしまいます。

球状のものは明瞭さを向上させるには有効でした。ただ、安定させるのにひと工夫必要です。この頃はワッシャや穴を開けた木製ブロックを受け皿にしていました。球は平面に対して点で接地するので、相互に振動が伝わるのを抑えてくれます。スパイクと同じですね。また、面と面の接触はかなり平滑でないとどこか一部が浮いてしまいます。その歪みが悪影響を及ぼすのではないかと私は思っているので、今ではほとんどのコンポーネントをスパイクで支えています。この方がすっきりします。しかし、上に書いた3点支持の時と同様に力感が失われてしまうことがあるので、スパイクやスパイク受けはしっかりと固定する必要があるでしょう。

構成セッティング
1998,07,28
1998,07,30
1998,08,01
1998,08,10
1998,08,28

audio-technica AT682は中音域が強調されるように聞こえましたが、高音域と低音域が伸びがなくなった裏返しのような気もしました。ボーカルは前に出つつハスキーになる傾向でした。

audio-technica AT682中央のへこみは後から加工したものです。

構成セッティング
1998,08,05

この頃は、音のバランスや解像度も考慮できるようになってしました。山本音響工芸 PB-9/10を使用すると付帯音が減少し低域が締まります。それに伴って、低域音量の減少しますが、ドラムの中でも高めの音がさらに上へ分離するような解像度の向上や垂直方向へ音が広がる効果が得られました。PB-10単体でもハンズで購入できる木製ブロックとは一味違います。

構成セッティング
1998,09,21
1998,10,08

The j1 project PD3603Tはがたつき吸収用に購入しましたが、思ったより硬かったので予定していた役には立ちませんでした。その後、解像度の向上や弾力のある音作りをしてくれることが解り、PB-9/10と組み合わせて愛用しました。より大型のSQ5519Aを単体で使ってみましたが大きな効果はありませんでした。

構成セッティング
1998,10,04
1998,11,18

コーン型のCN35Sも使ってみました。スピーカを3点(前2後1)支持する形で試聴。大きな変化は感じませんでした。音量のコントラストが明瞭になりました。SN比も向上したかもしれません。一方で、中域のボリュームが減少しました。たっぷりと鳴り過ぎていて困っているシステムにはお薦めですが、うちでは音楽の面白味がなくなってしまうので却下しました。

2000/05/31

構成セッティング
1999,03,12

♪ダンプ

高域の変な鳴きを止めるために試しましたが、あまり意味はありませんでした。スピーカの上に水を満たしたペットボトルを置くというなかなか豪快な方法を取っていました (笑)。低音からちょっと上までの増強に役立ったようです。低域の音量が大きくなり、加えて輪郭が出ている感じでした。明らかに雰囲気の変わる曲がありました。ただし、バランスをちょっと崩している感じもしました。

構成セッティング
1998,08,25

♪ケーブル

SAEC SPC-700を知人から借りて試聴しました。BELDEN STUDIO 718と比較すると低域のボリュームが増しているのが一聴して解りました。増した低音の影響か、解像度は若干下がりました。量感の豊かな音といえるでしょう。

インシュレータがひと段落した(?)頃、映像ソフトの台詞がきつく聞こえるという不満が出てきました。これを解消するべくケーブルをとっかえひっかえしていました。

ACROTECH 6N-1010はとにかく奇麗な音を奏でるケーブルです。中高域に癖があると評価されることが多いようですが、好みにはまればこれほど効果的なケーブルはないと思います。高域は伸び、中域は艶やかになります。特にピアノの音が美しく響くでしょう。女性ボーカルも滑らかです。いっぽうで低音が若干減少したり最高域がきつくなるかもしれません。

monitor PC Cobra 6Sは一度試聴したのみです。ボーカルが軽いというか薄いというか、女性ボーカル域が若干高めになり低音がなくなるので、厚みのない感じがしました。高域が柔らかくなる効果は多少認められました。

構成セッティング
1998,10,08

BELDEN STUDIO 727718に比べて低音が伸びています。高域側も若干伸びているようで、この組み合わせではきつさも増えてしまいました。

構成セッティング
1998,12,29

FURUKAWA μ-T1は相性が悪く、1ヶ月で使うのを止めてしまいました。その後、スピーカをDynaudio Audience80になってから返り咲きを果たしました。

導体はプラスチック(!)で覆われ、外周の被覆との間に木綿糸が充填されているというマニア心をくすぐるものです。導体を覆うプラスチックが硬く、環状に切れ目を入れて剥くのは困難です。導体と平行に切れ目を入れて被覆を魚を開くように左右に押し開いてから切り取ると比較的楽に処理できます。また、線材自体も硬くなかなかまとまりません。雑誌ではYラグの使用を薦めていました。鉛レスはんだで(先端だけ)まとめるのも良いかもしれません。

雑誌にある力強いという印象は感じませんでした。音質はやや明るめ。高域は奇麗でした。低域は出ているようでしたが、全体的に腰が高いようでした。特に気になったのがボーカルの腰が弱いところでした。下の方が出ていないようで厚みに欠けました。これは私の好みから言って致命的です。音場は高域の奇麗さのおかげで広がりは感じますが、少々奥行きがないように感じました。

構成セッティング
1999,02,15

2000/05/31

audio-technica AT6S40一聴して低域の力強さが解ります。女性ボーカルはちょっと落ち着いた質感で聴きやすいものでした。高域に特徴はないようでした。S/N比は若干低いのか静けさは感じませんでした。静けさの中に響く残響といった魅力はなさそうでした。慣れてくると、高域〜中高域にかけて硬さがあるのが感じられました。エージングによってこなれるのなら良いですが、他の機器のチューニングで抑える必要がありそうでした。

構成セッティング
1999,03,14

2000/06/01