実は、私はあまり音楽を聞く人ではありませんでした。それでも音の良さに気づくこともできますし、装置を育てていくと同時に音楽を楽しむ心も育っていくと思います。
音楽こそあまり聴いていませんでしたが、ゲームや映画の音は重視していました。でも、セッティングには(今振り返ると)無頓着というか“音楽に詳しくない自分にそんな微妙な差が解るはずがない”と思っていました。周囲には音楽が好きでオーディオにも手を染めている友達が何人かいて彼らのシステムを聴かせてもらったりしていましたが、やはり違いは解りませんでした。それが、かえって距離を遠ざける結果になっていました。まだまだ耳が慣れていなかったり、音の聴きどころを掴んでいなかったのですね。
そんなある日、部屋の模様替えのためにミニコンポのスピーカの間隔を広げたところ、何か心地よい鳴り方をしていることに突然気がつきました。工夫することで音が良くなること、それが自分にも解ることを実感したことをきっかけにAVの道に足を踏み入れることにしたのでした。
この頃やった対策は
だけでした。今なら、お金のあまりかからない対策として次のことも追加したいと思います。
解るようになるまで聴き込んでみるのも必要ですが、解らないからといって諦めることはありません。最初の頃は、試聴する耳も慣れていなかったり、機器の性能によっては細かな差異は解らないかもしれませんから。
構成 | セッティング |
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1998,01,23 |
1998,01,23 1998,04,29 |
音が変えることができることを知った私はさっそく新しいコンポに買い換え……た訳ではありませんでした。まずは周囲のアドバイスにより少しだけ上のグレードのケーブルに換えてみました。
いきなりケーブルに興味を持つより、よいコンポーネントを購入したほうがいいという考え方もあります。しかし、コンポーネントは比較的高価で、気に入らなかったからといって買い換えるのは大変です。AVに入門したばかりではどの機種が自分好みの音を出すのか解らないと思います。ケーブルの交換が可能なミニコンポなどを持っていることが前提になりますが、ケーブルによる音の変化は思いのほか大きいので、いろいろとケーブルを換え音を変える中でどんな音が好きなのかを探してみるのもいいと思います。
付属ケーブルから3,000円/m程度の製品へのアップグレードはそれなりに効果があります。初めに使用したのはaudio-technicaのラインケーブルでした。audio-technicaのケーブルは際立った特徴はなく、今までの音がそのまま(音色は変わらず)聞こえる音の数が増えたり(情報量の増加)、ボーカルが明瞭になったり(中高域の張り、定位の向上)、すっきりとした印象を持ったり(S/N比の向上)すると思います。
スピーカケーブルの交換も効果的です。BELDEN STUDIO 718は細かな音が出たり(解像度の向上)、メリハリのある迫力の音は出ませんが、やや暖色系のしっかりした太目の音を出します。他にはSAEC SPC-700がしっかりとした低音で音全体を支えてくれるのでミニコンポに使用するのに向いていると思います。
構成 | セッティング |
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1998,05,02 1998,05,06 1998,05,12 |
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