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このページでは、NEC MobileGear(WindowsCE版)を紹介しています
Last modified; 980516


Road to CE

いろいろと不評が多いWindowsCE1.01マシン(^^ゞ。まー、私自身も「CEは止めとけー」なんて“詳しくない”友達には言っていました (^^;;;;;。しかし、携帯機器は汎用性を求めちゃいけない(求められない)モノですから。逆に言うと、目的に合致すれば何でも良いと。ここら辺の見極めは、実際に運用してみないと解りづらいと思います。できることなら、友人等からお古を借りてしばらく使ってみましょう。出てきた不満を解消できるマシンを選べばいいのですから。それでは、導入までの経緯を報告します。

次期携帯機器選定

概要

Webページ保有に伴いコンピューティング・スタイルが大きく変化しました。具体的には、テキスト媒体を主とした情報の作成・発進頻度が増大したことがあげられます。これらの作業を移動中に行うことが求められましたが、従来の主力携帯機器Zaurus PI-3000は以下の点で問題がありました。

  1. 取り扱い可能なファイルサイズに上限があり、私のページのhtmlファイルを直接編集できない
  2. ファイルサイズの増加に伴う処理速度の低下が顕著である
  3. html文書の表示、すなわち確認作業が不可能

以上の項目をクリアする次期携帯機器の選定を行いました。

要求仕様

戦略目標を「Webページのメンテナンス作業の効率化」に定め、以下の要求仕様を決定しました。

  1. 100KB程度までのhtmlファイルを編集できること
  2. Webブラウザを装備可能なこと。なるべく最新のhtmlに対応していることが望ましい
  3. 私のページのhtmlファイルを収容可能なこと
  4. 列車による移動中に使用することが多いことから、携帯性に優れ、立ったまま使用可能なこと
  5. バッテリ稼動時間が、一日の移動時間の累計(およそ4時間)以上であること
  6. もちろん、安価であること (^^ゞ

エントリ

以上の機種を検討しました。

結果

まず、Careid、PocketZaurusそしてPC Wizは要求仕様1に不適合なので落選。Mobile Gear(DOS版)はWebブラウザがテキストベースのため、確認作業には不適格と思われ、また要求仕様4も辛そうなので落選。INTER Topは少々大きいのがマイナス。要求仕様5にも十分適合していないので落選。Librettoも要求仕様5に不適合なので落選としました。

残った4機種について、それぞれ検討してみました。

PlamPilot
携帯性に優れ、PDAとしての評価は非常に高い。友達にユーザも多いです。日本語化の必要がありますが、それも楽しいでしょう (^^ゞ。しかし、今回の用途には表示部の解像度が低く不向きであると思われました。
CASSIOPEIA
WindowsCEに対する不安はあるものの (^^ゞ、要求仕様はクリア。フォーム対応のWebブラウザがバンドルされている点もポイント高し。ただし、動作速度の点で不満の声が多数挙がっていました。CASSIOPEIAを選択するのであれば、CPUの(?)バス幅・クロック数を2倍にした最上位機種 A-51Vを購入するべきのようです。実際に使用してみたところ、下位機種においてExplorerの遅さは明らかでした。また、キーが一部省略されており、右Ctrl、右Alt、右Windowsキーがありません。
Mobile Gear(WindowsCE版)
こちらもWinCE以下略。動作速度は体感でCASSIOPEIA下位機種の1.2倍とのレポートがありました。また、メモリ容量の少ない最下位機種 MC-CS11でも何とか使えるとのこと。実売価格がこなれている点が魅力です。また、バンドルソフトに「大運動会 for WindowsCE」がありますが、これは評価に大きな影響を与える要素ではない……ハズです (^^;;;;;
ただし、キーが一部省略されており、右Shft、右Ctrl、右Alt、両Windowsキーがありません。
TiPO
B TRON OSを採用した異色の携帯コンピュータです。その点で非常に興味深いのですが、候補の中では高価であるのが難点です。

以上の検討の結果から、PlamPilotは解像度の低さから落選。後は主に財布と相談してMobile Gear(WindowsCE版)の最下位機種にするつもりでアキバへ向かいました。

Hunt for もばCE @アキバ

目標をMobile Gear MC-CS11に仮決定してアキバへ。店頭で操作感や細かい箇所を確認。今までの経験から言うと、カタログを見て厳選した候補であっても、触って違和感を感じるものは後々後悔することが多いです。

MC-CS11とMC-CS12、どちらにしよう?

違いはCS12は14.4kbpsのモデムを内蔵していて、メモリが8MBと2倍である点です。モデムは必要な人は必要でしょう。私は余り要らない……ハズ (^^ゞ。メモリはフラッシュメモリ(ATA)カードを挿すことでデータ記憶用メモリを拡張できます(本体メモリはデータ記憶用とプログラム実行用の共用)。メモリカードを並用すればCS11の4MBであっても使えそうです (※ メモリカードにインストールできないソフトウェアも存在します)。あまりお薦めできませんが、予算はあるけど、モデムに予算を使いたくない方はCS11+メモリカードという選択もいいでしょう。10MB程度で1万数千円です。なお、販売店によっては同時購入に限りメモリカードを特価で売ってくれます。また、コンパクトフラッシュやsmartcardをアダプタを介して利用できます。デジカメユーザはメディアを共有すれば便利ですね。

落ち

結局、予定よりも安いCS12を見つけたので、そちらにしました。


もばCE運用報告

私の判断は正し買ったでしょうか?実際にもばCEを運用しての使用感を報告します。

携帯エディタとして

満足しています。以下に要素ごとに感想を記します。

携帯性

ちょっと重いです。もう少し軽いと良いんですけどね (^^ゞ。キーボード側を持っていると液晶のついた蓋側が少々重いですから、筐体を180度開き、なるべく重心に近い位置でホールドして、右手でキーを叩いています。しばらく叩いていると腕がだるくなっちゃいます (; ;)

キー入力

慣れですね (^^ゞ。さすがにタッチタイプはできません。しかし、立った状態でも、片手入力でそれなりに入力することができるようになりました。

もばCEは、右Shft、右Ctrl、右Alt、両Windowsキーが省略されています。これをフォローするために(?)キーボード右側にある半角/全角キーをShiftキーとして機能させるツールがNECから提供されています。今後、もっと柔軟にキー配置変更ができるソフトが出れば、更に便利になるでしょう。例えば、右手前にあるカタカナ/ひらがなキーをCtrlキーにするとか。

画面

液晶表示はちょっと難点があります。コントラストは贅沢を言ったらきりがないので妥協。夜の駅のホームで入力できるし (^^ゞ。いざと言う時はバックライトもありますから。ただし、本格的に暗い所では無力です。だって、キーボードが見えないんですもん<ばきぃ

一番の難点は表示がカーソルの動きに追随できていない点です。おそらくこのクラスのマシンに共通の問題でしょう。しかし、編集中にカーソルを見失うのは非常にストレスを感じます。これにはソフトウェア側である程度対処できると思います。例えば、カーソルを|(アイビーム; 縦棒)から、■に変更できれば視認性は高まるでしょう。また、編集行にアンダーラインを引くのも良さそうです(以上2点はVillage Center Pocket WZ EDITOR for WindowsCEでサポートされています)。CEプログラマの方にはそういった点にも配慮して欲しいです。

Webブラウザとして

バンドルされているPocket Internet ExplorerはInternet Explorer 2.0相当だそうで、フォームやhtml4.0、CSS1には対応していません。今回の目的は“自分のページの表示確認”ですから、フォーム未対応はOKですが、html4.0とCSS1に対応していないのはちっとマイナスです。解像度が低いためにsize属性の反映を抑えています。-1では差が出ません。また、画像の表示は期待してはいけません。白黒4階調のハードウェアの制約に加え、表示の高速化のために高度な減色を却下しているようです。やっぱりデスクトップと同じ表示は無理ですね。ちょっとがっかり (^^ゞ

他には、処理速度が遅いせいか、読み込み中に操作をしてもほとんど受付けてくれません。また、ページをまたいだnameへのリンクに対応していないようです(バグ?)。

難点はいくつかありますが、おおむね覚悟していた範囲だったので及第点とします。

PDAとして

未評価<ばきぃ (^^;;;;;;だって、使ってないんだもん。その気もなかったし。

あんまりなんで、関連している項目を……。レジュームは速いのでストレスは感じません。ソフトウェアの起動は物にもよりますが遅いです。PDAとして使うなら、スケジューラ等を常に起動しておくことで素速い操作できるでしょう。

その他

WinCEの安定度

まれに落ちることがあります (T_T)。特にプログラム実行用メモリが不足しているときに危険なようです。ただし標準搭載のPIM達は入力されたデータを順次セーブしているようで、使用中にコケてもデータが失われることはありませんでした。エディタは編集中の文書が消えますけどね (T_T)

必要メモリ・外部記憶メディア

検討段階では、CS11の4MBでも使えると書きましたが無理だと思います。私の使用状況、Pocket Internet Explorerとエディタ×2本、そして常駐物が幾つか立ち上がった状態において、システムのプロパティからプログラム実行用メモリの使用領域を調べると約2.6MBと表示されていました。つまり、4MB版だと、1MB程度しかデータ記憶用に使えないわけです。また、空きプログラム実行用メモリが少ないと動作が不安定になるようです。

後日、10MBのコンパクトフラッシュカードとPCMCIAスロットに挿すためのアダプタを購入しました [日記]。外部記憶メディアを増設するメリットとして、データの保護があります。WindowsCEマシンに不具合が発生し、通常のリセット操作を行っても復帰できない場合、すべてのバッテリをはずして初期化します。この操作を行うと、本体メモリに保存していたすべてのファイル 〜データもインストールしたソフトウェアおよび設定〜 が消去されます。仕様とはいえ致命的ですね。もちろんバックアップをしていればその時点までの環境は保護されますが、出先で作成・更新したファイルは戻ってきません。重要なファイルを外部記憶メディアに保存しておけば、万一の初期化の際にもデータを保護できます。

メディアとしてPCMCIAのATAカードを却下した理由は、購入時に少し高価であったこと・デジカメ等に流用困難であるからです。スマートメディアを却下した理由は、8MB以上のメディアが予定は未定となっており、普及が怪しいからです。

コンパクトフラッシュを使用して気づいた点として、保存にやや時間がかかることがあります。エディタの自動保存を有効にしていると、編集中に一瞬動作が停止するようになり使用感が悪くなりました (;_;)。この現象がコンパクトフラッシュ特有のものなのか、それとも外部記憶メディア使用時に必ず発生するものなのかは不明です。

ちょっと左のヒンジに遊びができてきたのが気になります。悪化はしていないようですが。

CE links

国内の主要なWinCE関連ページが紹介されています。国内のオンラインソフトウェアは大部分が捕獲可能でしょう。


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