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電波…とどいた? 200210上旬/中旬/下旬

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2002年10月22日の電波状況

えろげのシステム話

なんか各地で語られてるので俺も俺も(ぉ。ライセンスに関する話はちょーめんどくさいのでパス。

「フリー」なプログラムの存在が「商品」を脅かす場合があるというのは事実でしょう。 IE とか明快。ただ、AGESについては、私は「仮想敵」と言った割には、その可能性は低いのではないかと思っています。ネームバリューはあるとはいえ(そしてそれによる業界への刺激効果はあるでしょう)、あれは、「スクリプタにとって非常に扱いづらいシステム」なのではないかと想定しているのです。開発に時間がやたらかかってる原因の何割かはそのせいちゃうんかなーと。そして、もしそうであれば、その商品的価値は著しく下がることでしょう。 (そうでないのなら……その点は後述)

一つ別の実例を。アリスソフトの前世代システム(System3.X)は、しばらく前に、 ライセンスが変わり、事実上無償で商業利用が可能になっています。ですが、私は他社が使っている例を知りません (もしかしたらあるのかも。誰か知ってたら教えてちょ)。これは、基本的に、あのシステムは使いづらい、という側面があるからだと思っています。現在巷にいくつか存在している、フリー、または準フリーの多くのシステムも同様です。この点でなんとか「合格」にのっかってるのは、現状、Nscripter ぐらいではないでしょうか。ちなみに、私は Nscripter はシステムの技術的側面は全く評価していませんし、スクリプト文法も気に入りませんが、この点については非常に高く評価しています。 \

もう一点、プログラマのプライドの問題があります。

職人プログラマ的思考: 状況が許す限り、自分で作りましょう

これがあり続ける限り、「フリー」なシステムが、業界を脅かす可能性は低くおさえられ続けるることでしょう。「俺はこの仕様は気に入らないから却下」は常套句です。まあ、さすがに、ライブラリにおいては、

職業プログラマ的思考: 状況が許す限り、人が作ったものを使いましょう

が適用されるケースも増えているでしょうが(DirectX とか整備されてきてるし)、これもまだまだです。実際うちのシステム、Direct X 使ってないしー(爆)。ま、libpng と libz と libogg と libvorbisは使ってますけどね(笑)。システム全体ともなればなおさらです。この状況を覆すには、それが、十分品質が高く、かつ、多くの人に簡単に扱えるような状態になる必要があります。

実際に AGES が出てきて、もし、すげー使いやすかったら、その時は脱帽するしかありませんね。あと、仮に「ソース公開」ともなれば(これは実際には無いだろうと私は想定しているのですが……)、勉強する素材にさせてもらいます(笑)。

結局のところ、私は危機感はこれっぽっちも持ってないわけで、それは、私が、UNIX界的ソフトウェア感覚の洗礼をうけていること、あと、「ゲーム作成は本業では無い」ということのみならず、「えろげー業界はソフトウェア業界では無い」と思ってるところから来るのかもしれません。ではなにか?といわれると「コンテンツ業界」。うわっ、うさんくさ(ぉ。えろげーのプレイヤーは、決してその「システム」だけを買っているわけでは無いのです。現在、文章、音楽、絵、動画においては、PCとその上で動くプログラムは道具であり、多くの人がそれを自由に扱っています。そして、その、文章や音楽や絵や動画においては、それを再生する環境が、基本的にフリーなわけです(PCは必要だけど)。ゲームにおいてもそういった状況が成立してもかまわないでしょう。

こういった状況下においては、ソフトハウスがプログラムを売る方法は、「作成ツールを売る」ことになります。「ツクールシリーズ」はそのあたりを狙っているのでしょうが、その再生環境が著しく限定されてしまっているので、好事家の趣味の対象を超えていません(まあ、えろげー自体十分好事家の趣味ですが……)。ゲームではありませんが、こういった方面での、最近での代表的成功例は「Macromedia Flash」でしょうか。Web における簡易アニメーションを含めた表現のデファクトスタンダードにのぼりつめました。ShockWave は、システムが悪いのかツールが悪いのか、いまいちそこまではいけてないですな。

AGES の話にもどしましょう。アージュがどこまで考え、そして準備しているのかは私には不明ですが、

  1. コンテンツプレイヤーとしてのシステムを(商業利用においても)ライセンスフリーで公開する
  2. コンテンツの仕様や、オーサリングシステムの基本的なものは公開する
  3. 高度なオーサリングシステムを、別途「販売」する

もしここまで考えているのなら、商業的に見ても非常に積極的かつ好戦的な戦略でしょう。めざせ気分はマイクロソフト(笑)。とはいえ、「ゲーム作り」は、単体の文章・絵・音楽ほど容易ではありませんから、大衆を狙うとこけるので、同人サークル〜商業あたりをターゲットに。ほしい人にはサポートもつければばっちり。自社の作品の売り上げには影響はありません。プログラマはそれで十分雇っていけます。その上で、オーサリングツールが商売になればそれは+αの収益になります。そう、この形態の場合、商品的価値があるのは、「システム」ではなく「ツール」なのです。もし、それがないのなら「おもろいけど、けったいなことするなぁ」でおしまい。

つーわけで、期待してますのでよろしく>アージュさん(笑)。あ、もししっかりしたツールないけど、システムがとても魅力的で、基盤になりうるようなら、私がなにかしらツールつくって売りますんで、それはそれでー。

ああ、そうそう、こういった状況になると「スクリプタ」という職人業の認知と地位があがるよねー。

別の話。個人的には、「フラッシュ」の swf データ形式のとりこみは、この業界において、次のアドバンテージになりうるとにらんでいるのですが、どっかやらんですかね。

フォーマット仕様は Ver.4 なら 1998年に Macromedia から公開されてて(Ver.5 は有志が解析中)、 フリー実装例も存在するので、それを参考にしつつ、 Macromedia からライセンスを取得しなくても導入はできなくはない……(苦笑)。

通なら、これからは XML で SVG + SMIL だだ! なのかもだけど、まだ素材としてはこなれてないよねー。あと、XMLってなんか富豪的だしー。高度なオーサリングツールはどのくらいあるのかしらん。

(10/23) ちょっとだけ文の流れを分かりやすくする追記と、フラッシュ関連の技術リンクを追加。あと、関連する話をおいかけてみたいという人は、高橋氏の日記からどうぞ。 \


2002年10月23日の電波状況

えろげのシステム話つづき

すまん。俺の調査不足だた。

吉里吉里、フラッシュサポートしてるじゃん!

偉いのぅ。わかっていらっしゃる。

現状で、「ベースプラットホーム」として成立しうるのは、もしかしたらこれくらいなのかもなぁ。エディタあるし、ちゃんとデバッグコンソールとかもあるし。なおかつ、GPL ソフトウェアだから、自由な商用利用も当然 OK だし。そう、GPL ソフトウェアは、完成されたプラットホームとしてみた時には、商売する上で、非常に好ましい性格のライセンスなのです。作成したプラグインに対する作者サイドの思想がどうなのか (GPLの波及を要求するかどうか)は不明。これがOKということなら、安心して「独自拡張」も施せますな。

ちなみに、私がこれに対して抱いてる個人的な疑念というか、拒否反応?は、これが、あまりに「言語」として完成してしまってること、あとは、そのくせ、バイトコードのようなものを持たないこと(だよね?)という、歪んだプログラマ魂がひきおこすものだったりします(苦笑)

いやあ、ここまで「コンピュータ言語」になってしまうと、コンピュータ言語を直接使わない理由ってのがわからなくなってしまうんですね。もしこれが、オブジェクトが全部そろってる(たとえばC++のDLL……いや、今ならWin なら.Net で CLI なオブジェクトか)ような状態で自由につかってくれ、なら……とか思ってしまうわけなのです。もっとも、そうなると、今度は GPL の負の壁にぶちあたるわけですけどね(苦笑)。これが GPL でかつ商用的に問題なく扱える、というのは、それがスクリプトシステムであればこそというわけで。クロスプラットホームなシステムに進化したりしてくるとまた状況はがらっとかわるのではないかと思います。

プログラマ魂はちょっと横においておいて、スクリプタ視点でみると、ちょとこれを裸で使うのはつらいです(きっぱり)。もうすこし「高級化」しないと困るでしょう、ということで、同梱の「KAG」があるわけなのですが……ごめんなさい。俺の美的感覚は、このスクリプトシステムの文法を拒絶します(苦笑)。フラットシステムな行指向スクリプトシステムはんたーい(はんたーい)。スクリプトにもオブジェクト指向概念の波を!! 革命を!!

……ああ、そうか、吉里吉里の上にのっかる、別の、好みの文法を持つスクリプトをつくればいいのか。それはそれでおもしろそうだのぅ(爆)。とか書き散らしておく。

TYPE-MOON の新作は「吉里吉里」採用だそうで、それの出来次第では、ブレイクにつながる可能性は大いにありますな。うん。その状況は非常におもしろそうだ。がんばれー。OP/ED とかはぜひフラッシュで希望(笑)


2002年10月24日の電波状況

雑記

ひらしょーさんをうらやましがるありりんのために、USBなキャプチャーユニットを、Win98(あまりもの)とセットで投棄することが先ほど三上君との協議により決定しますた!

どんな格好なのだろう(汗)>千影 <今回の前半唯一の見所(ぉ

それはサテオキ、 はねむす が素晴らしいのでみんなチェキしとくべし。やっぱ妹よりは娘でしょう。姉だし(ぉ


2002年10月25日の電波状況

あれでない以下略

がっつみりみり番外編 キター

えろげのシステムの話がまだまだ続く

またアクセス多いねぇ。みんなこの種の話題好き?(苦笑) ちょっと反応返しなど。

「システムコンポーネント」とみなして勘弁してください……じゃダメ?(苦笑)。これだけ普及してるんだしー(えー。一応、吉里吉里では、直接プラグインを呼んでいるわけではなく、一段吉里吉里用のプラグインとしてのフラッシュ呼び出しを行う DLL をかましてあるようです。内部的にどうやって探してるのかとかは、きちんと調べてないので不明。 COM の口あるんかな? まあ、GPL はこの点においてザルってのは同意。俺内部結論は、「著作権にもとづく限り、ダイナミックリンクにも影響をおよぼすと主張するのは権利の濫用である」になってます。プロセスだとOKで、ダイナミックリンクだとOKでない理由がわからない。なに言われるかわからんから自分ではやらんけど、仮に裁判になったとしたら勝てるんじゃないかと思われ。

Direct X は、まあ、システムの一部ですね。より適切に言うなら「フレームワーク」の一種かな。 Win のみを視野にいれるなら積極的に使っていったほうが良いと思います。 swf は、いわゆるムービー(mpgやavi)化したらかっちょわるいので却下なのです。あの小気味動きと「美しいエッジ」がほしいわけで。UI としての SWF は判断保留。 SVG (およびSMIL)は概念的にはかっちりしてても、その規模がでかすぎるので、ちょっとつらいです。このへんは書いてあおってる割には、 有野さんWhiteさんに基本的に同意で、少なくとも現時点では、私は、「素材」としての可能性しかみてません。あの枠組みでゲームをつくるのはネタとしてはおもしろくても労力がかかりすぎる。

ちなみに STL はできあいのものを使うだけならむちゃ簡単です。自分で書き始めたら一つ高いレベルの世界が見れることになりますが、大変です。

スクリプトの オブジェクト指向化について。個別反応返すのはやや大変そうなので、私の想定をあとで時間あれば、もう少し詳しく書きます。あんまたいしたことは考えてません(苦笑)。「システムの機能のベタ命令化はとりあえずやめよう」といった程度の話です。


2002年10月26日の電波状況

昨日

練馬で打ち合わせなど。うーにゅ、すごい人はいるもんだ。正直、共感を得られない部分もあったりはするのだけど、そのパワーには脱帽。で、電車間に合わず朝帰り(汗)

今日

夕方。有野さんにモノの受け渡しでちょっと秋葉。

おや? (汗)

篠房六郎はいいねぇ。そっくりハウス、ジャケットこわっ。デモがむちゃおもしろそうだったんだよう(汗)>ランス。とりあえず、仕事の方がつくまでしばらく積むけど。 Toast は、実際には、mkhybrid で事足りるといえば足りるんだけど、まあ、念のためということで。Mac における事実的標準ソフトの実力を知りたいというのもあり。

某チャンネルが活動停止ということで、まあ、思いでを語る会みたいなものとか。いろいろ楽しゅうございました。あの場はなくなるにせよ、人同士の関係は、今後とも引き継がれてのこっていくものだと思います。今後もできればよろしくお願いいたします。

さて、仕事(とかいろいろ)せな……


2002年10月31日の電波状況

雑記

おめでとう!。俺的にも、これで、毎週の楽しみがもうひとつ増えたってもんです(ぉ

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