Japanese (Shift JIS)

♪Dynaudio Audience80

♪購入

AR 218Vのオーナーになって1年。自分なりにいい音を出していると思いつつも、どうしてもクリアできない点を感じていました。なんとなく不満を抱えつつ、自分の目指す音を具現化してくれるスピーカを探して機会を見つけては試聴をしていました。その裏で、知人がスピーカを買い換えたことが刺激になったりもしましたが (笑)。

聴いた日や環境がばらばらなのであてにならないと思いますが、この頃に試聴したスピーカの感想を挙げておきます。

Acoustik-Lab BolleroGrande
上品なだけじゃなく、迫力もある。でも、良さが良く解らなかったのでパス。
AR 312HO
218Vと比較してレンジは広かったです。透明感も素晴らしいし、低音も引き締っていました。和太鼓が突き抜けました。しかし、ちょっとドンシャリな感じがしなくもありませんでした。確かに良いし218VとHOのブックシェルフならHOを選びますが、ステップアップとしての魅力は感じませんでした。トールボーイも同様。
低音過多で低域から中低域にしまりのない感じ(雰囲気と言えば雰囲気)がしましたが、そこから上は立ち上がりが速いと言うのか、非常に明快に感じました。
AR AR11
入荷直後に試聴しました。HOとは別のスピーカでした。Hi-RESシリーズは高解像度な音づくりです。中低域の透明感が増し、低音に芯がありました。高域は広がっているようですが若干耳につきました。たぶん、ものが新しかったためにエージングが進んでいなかったのでしょう。
AR AR9
AR11を聴いた翌週に試聴しました。さらにマッチョ。低域を抑えるのに苦労しそうです。エージング不足は予想されましたが高音もキツかったです。
LINN KEOSA
素直な音で良い感じでしたが、Audience80を上回る魅力を発見できませんでした。
NHT 2.9i
広い音場に精密に音像を描くといった感じでした。エンクロージャの大きいトールボーイだけあって音場は広いのですが、音が前に出てくることはなかったので“雄大”とか“勇壮”という印象はありませんでした。サイドに付いているウーファの大きさから迫力ある低音を想像していましたが、こちらも予想外にデリケートな鳴り方でした。定位は素晴らしいものでした。音場はエンクロージャの間に作られ、上下方向にも広がりました。その中心にボーカルのフォーカスが合い、歌手がステージに立っているようでした。
NHT 2.5i
2.9iの次に聴きました。やや穏やかで好み。低音もばっちり出てました。ボーカルの定位も良かったです。中高域の雰囲気はふんわりとしていましたが、密度感が足りないほどではないと思いました。
TANNOY TD-500A/C
まずは見た目が好みです。割と近接した(1mくらい)試聴でも違和感が感じられなかったのは同軸ユニットの利点でしょうか? すこし騒々しい環境で試聴したせいか、静寂感は感じられませんでした。
2度目の試聴。楽器の音はそれらしく鳴っていたようです。曲によっては遠近感も感じられました。しかし、それが快感に繋がりませんでした。「音楽性豊かな音」という言葉には憧れるのですが、そういう音を求めていなかったようです。

Dynaudio Audience80を聴いたとき鳥肌が立ちました。これは凄い。強調感のない穏やかな音。それでいて物足りないことはない。ワイドレンジ感はないのに、高音・低音ともに出るべきときに出てくる。“滑らかな音”というものを初めて実感しました。凛としたステージにボーカルが完璧に定位して、その声は暖かく優しさを感じさせるものでした。谷山浩子の『約束の海』は十分に重苦しくドラムが迫り、『風のオカリナ』のオカリナは美しく響きました。

ほとんどひとめ(一聴)惚れ状態でした。AR 218Vに不満があったというより、Audience80に惚れてしまって買い換えたということになりました。結局、試聴を2回繰り返してから、使用しているコンポーネントを用意してもらって相性を確認し購入しました。

構成セッティング
1999,06,22 1999,06,22

底面が30cm四方、高さが140cmくらいはある25Kgの箱がふたつ。自室に入れるのにも一苦労でした。とりあえず床にベタ置きして鳴らし始めたところ、酷い音でした (苦笑)。それも30分ほどの間にどんどん良くなり、たいしたセッティングもしていないのに満足のいく音を鳴らし始めました。輸送がずいぶんとストレスをかけていたようです。


♪インシュレータ

The j1 project SQ5519Aは私のセッティングではデファクトスタンダードです。とにかく、解像度をあげたり音を整理したり締まりを持たせるには最適。Audience80の足元の四隅に挿入すると“ボンボン”鳴っていたのが“ダンダン”鳴るようになりました。高域がちょっと神経質になるのが欠点。手製ボードと組み合わせて使いました。

構成セッティング
1999,07,01

♪スパイク

半年ほど経ち音がこなれていい感じになってきたですが、いっぽうで物足りない感じが増してきました。そこで以前から気になっていた付属スパイクを使ってみました。付属のスパイクをスピーカ底辺の四隅にねじ込み、TAOCのステンレス製スパイク受けで受けました。さっそく試聴したところ、音の輪郭がくっきりしたようです。特にギターがテンションのかかったちょっとビリっとくる音になったのが嬉しかったです。また、曲間の静寂さ・緊張感が増したことから、S/Nも若干上がったようです。反面、ボーカルがタイトになりすぎた気がしました。さらに2日が経過すると、いっそう重心が低く感じられました。ぐっと踏ん張って、力の入った音を鳴らしている感じです。ピアノも深く沈み込み、このセッティングは成功でした

構成セッティング
1999,12,02

♪ケーブル

スケール感の向上を求めてACROTECH 6N-S1010からFURUKAWA μ-T1に交換しました。AR 218Vで使用したときに感じた凄みは出ませんでした。金属系の音。例えば、涼しげに拡散していくシンバルの輝きがなんとも綺麗。全体的にメリハリのある音になりました。

2000/07/18 改訂

構成セッティング
1999,09,24

CARDAS CROSSLINK 1S

CARDAS CROSSLINK 1S
このケーブルは導線が4本入っていてバイワイヤリング用かと思ってしまいますが、雑誌の写真を見ると2本ずつ撚ってYラグを着けてあったので私も同様に処理しました。4本を赤+青、緑+黄の組にして端末処理。ちなみに導体が2本のモデル(CROSSLINK 2X)は青と緑の導体でした。被覆は柔らかく、加工は簡単でした。スピーカ側はそのまま端子へ、アンプ側はWBTのYラグを介して接続しました。

FURUKAWA μ-T1との相対評価としては、高域のキラキラした感じがなくなり低音が充実したので聴き易くなりました。一方でFレンジやスケール感、音に包まれる感じは減少。低音は力感・弾力のあるタイプです。全体として切れは悪くないけどもうひとつで、音が多くなるとややもたつきます。ボーカルも聴き易くなりましたが実在感は薄れたようです。雑誌の評価ではフラットバランスと言っているのでμ-T1のほうが癖っぽいのかもしれませんが、私は好きでした。

2001/04/02 記

構成セッティング
2000,07,23

♪バナナプラグ

Audience80のスピーカ端子はWBT製のしっかりしたものですが、線材を挿す孔はやや小さく、またプラスティックカバーで覆われているため、太目のまとまり辛いケーブルの使用は面倒です。この端子はバナナプラグに対応しているのでACROTECH BP-G0030を使ってみました。音質的にははっきりした影響を感じませんでした。

2000/06/08 記

構成セッティング
1999,09,29

♪防磁

Audience80は防磁されていないために、TVの側40cm程に置くと盛大に画面が変色します。角度によっては影響が少なくなりますが、それではセッティングの自由度が減ってしまうのでTVに防磁シートを貼りました。完全に防ぐことはできませんでしたが、だいぶ近づけることができるようになりました。

構成セッティング
1999,09,15