Japanese (Shift JIS)

♪ルームチューニング

♪ミニソネックス

音場に奥行きを与える試みの一環として、スピーカの中央に置かれているTVに吸音処理を施してみました。ミニソネックスはスポンジの片面が波状になっていて、セルロース繊維が吹き付けられているものです。これをTVの両側面と前面の縁に貼りました。側面に貼ったものはTV前端から15cmほどはみ出るようにして、音がガラス面に周りこまないようにしたつもりです。

音色は変わらないので効果は解りづらいものでしたが、ある程度は良くなりました。ボーカルがやや遠く(小さく)なりながら定位は向上し、楽器も中央に寄って厚くなった感じがしました。少し奥に吸い込まれ、左右のスピーカを結ぶ面より奥に配置されました。つまり、奥行き感が増したのです。

結局この試みはアンプ電源ケーブルを改善することで成功しました。アンプの制動力が増したことで音に立体感が出たのだと思います。

2000/06/24 記

構成セッティング
1999,12,07

♪タオル

音場に奥行きを出そうと努力していた頃、スピーカ側をデッドにすると良いと聞いたので、クリップ付きのハンガー(100円)とビッグサイズ(80×160cm)のバスタオル(1,280円)を二組購入しました。 タオルを二つ折りにしてクリップに挟み、スピーカ背後の壁に適当に吊るしました。その結果、音が大人しくなり、女性ボーカルの尖りがなくなりました。微細な部分が抑えられ、聴感上のS/N比は上がりました。それに伴って楽器の分離が良くなりました。バスタオルの代わりに毛布を使うと更に影響は大きくなりました。吸音しすぎるとコントラストの失われた鮮度の落ちた音になってしまいました。タオルを吊るす場所や、幅、長さで調整できるでしょう。スピーカの真後ろよりも内側に吊るしたほうがより吸音するようでした。恐らく一次反射面を覆うと強い影響を発揮すると思います。

結果として、この試みでは奥行き感を得ることはできませんでした。その後の試行によって、まずは十分な情報量を再生できるようになること、スピーカを厳密に左右対称にセッティングすることが必要だと感じました。前者は、音自体に前後関係が解るだけの情報が含まれないとならないこと、後者は、その音を正確なタイミングで試聴者に届ける必要があるからではないでしょうか。

2001/03/03 記

構成セッティング
1999,12,03 2000,1,28


♪レイアウト

部屋のどこにスピーカやコンポーネントを配置するのかはとても悩ましい問題です。部屋を縦に使うか横に使うか、壁との距離はどれくらいとればいいのか、リスニングポイントとスピーカまでの距離は、左右のスピーカの間隔は……。オーディオ専用ルームでなければ、日々の生活との兼ね合いも考えなければなりません。ここでは私の部屋の現状と、今までに感じてきたことを紹介します。

レイアウト概略図

私の部屋のレイアウトの概略図(青色は高さです。薄い順に40cm級、80cm級、100cm級、天井級)です。まず、部屋を横に使っているのは生活の都合です。左方はベランダへの窓となっているのでふさげません。右方は出入り口があります。5.1chの為に扉ぎりぎりに置くことも考えているのですが、家人の出入りを考えると少々危険です。結果としてスピーカまでの距離はごく短くなっており、3Wayトールボーイから出る音は上下が分かれ勝ちになるデメリットを引き起こしています。にも関わらずスピーカを前に出しているのは、間に位置するTVの影響を避けるためです。音の定位や分解能を上げるには欠かせない対策でしょう。最低でも、スピーカのバッフル面をTVの前面より前に出したいものです。この配置でも影響を十分に避けることはできていませんが、TVの側面に吸音材を貼ることで緩和しています。良い音のためにはスピーカの周囲になるべく空間を取ることをお勧めします。スピーカの後方壁面との間が大きく取られているのは前述の通りTVより前に出す為ですが、空間を取るという意味でも良い配置になっているかもしれません。

スピーカが部屋と若干の角度を持って配置されているのは定在波対策です。この配置法は逸品館のページに詳しく書いてあります。定位、S/N感、低音の量・質ともに向上しました。スピーカの間隔は周囲の配置とリスニングポイントまでの距離との妥協の結果です。広げれば包囲感が増すかと言えば、いっぽうで真ん中の密度が下がるというデメリットが顕れます。内振りにすることで密度感を上げることはできますが、スピーカがまっすぐこちらを向くほどにするとスピーカが鳴っている感覚が強くなり、自然な音場を形成できなくなります。気がついたときに微妙な調整を加えて追い込んでいくのが良いと思います。ある日突然、S/N感が上がり音が綺麗に広がる時が来ます。そこがスイートスポットです。

2001/03/03 記